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人間というもの 司馬遼太郎



 司馬遼太郎の既存の著作から名言を抜粋した箴言集。これまで司馬を読んだことがない人でも十分楽しめるが、既読者が記憶にある台詞を見つけた時、改めて迫られるその力に感動すら覚える。小説や随筆は、その流れに任せて読みがちだ。しかし本書では、一文一文がまるで動画から切り出された名シーンのようにクローズアップされている。そして、逐一これまでの自分とその文章とを対峙させるのだ。

「人は、その才質や技能というほんのわずかな突起物に引きずられて、思わぬ世間歩きをさせられてしまう」

「人の一生というのは、たかが五十年そこそこである。いったん志を抱けば、この志に向かってことが進捗するような手段のみをとり、いやしくも弱気を発してはいけない。たとえその目的が成就できなくても、その目的への道中で死ぬべきだ。生死は自然現象だからこれを計算に入れてはいけない」『龍馬がゆく 三』

「人間、思いあがらずに何ができましょうか。美人はわが身が美しいと思いあがっておればこそ、より美しくみえ、また美しさを増すものでござりまする。才ある者は思いあがってこそ、十の力を十二にも発揮することができ、膂力ある者は我が力優れりと思えばこそ、肝の底から力がわき上がってくるものでござります。南無妙法蓮華経の妙味はそこにあると申せましょう」『国盗り物語 一』

 三つの文章を冷静に見ると、どれも常識から大きく外れている。才能があれば世の中を順風満帆に渡っていけると考えるのが世の常だし、志を貫ける人間など人類多しと言えど、どれほどいるのだろうか。また、思い上がりも程々にしなければならないと考えるのが、世渡りのコツだとするのが普通だろう。しかし司馬はそれらすべてにNOを突きつけている。そしてその言葉には人を平伏させんばかりの力があり、納得させられ、反論をする気すらさせられない。冷静に見れば極論であるにも関わらず、読後感は全くの正論という不思議な文章が集められている。
 普通の人では発することが出来ない、しかし人間が心の底で求めている言葉から生み出される勇気。司馬が放つ不思議な力を持つ文章には、そんな気概がある。この本に一生を左右されたという人がいても、何ら不思議はない。 
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